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日本では禁止されていた血液製剤の輸出を50年振り解禁

厚生労働省は献血から製造される血液製剤を国内メーカーが輸出・販売するのを解禁する方針を固めました。

血液製剤は66年に輸出が禁じられて以来約50年振りの政策転換になります。

 

 

血液製剤

血液製剤は人間の血液を原料として製造される医療品の総称で、輸血や止血剤、熱傷などの治療に使われます。

不特定多数の人の血液を原料として製造されるため感染症が投与された患者に伝染する恐れがあります。

 

薬害エイズ事件

薬害エイズ事件は1980年代に起こった事件で、血液製剤を使ったことにより日本では1800人の人がHIVに感染し、うち約600人がすでに死亡たと言います。

薬害エイズ事件はHIVに感染したと推定される外国人の血液を原料に製造された血液製剤をウイルスの不活性化を行わないまま流通させ、治療に使用したことが原因で起こったとされています。

後に加熱処理でウイルスを不活性化した加熱製剤が登場しています。

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血液製剤はどこから仕入れている?

現在、血液製剤のほとんどは日本赤十字社による献血で賄われており、一部はアメリカやドイツ、オーストリア、スウェーデンなどから輸入しています。

海外輸入した血液製剤は日本の献血よりリスクが高いとされており、課題となっていまs。

 

1966年に輸出が禁止された理由

日本の血液製剤の輸出は、1960年代に本格化したベトナム戦争において売血由来の血が東南アジアへ輸出され、戦闘で傷ついた兵士の治療に用いられたと疑惑が上がりました。

このことが「後方支援物資」に当たるのではと国会で追及され「武器に転用できる物資の輸出」を制限する輸出貿易管理令により輸出が禁止されています。

 

有償採血と無償採血

1991年、国際赤十字社と赤新月社の決議により「自然的な無償採血(=献血)」が世界的に推進されることとなりました。

これにより血液製剤の原料は有償採血か無償採血かが製品に記されることになっていますが、現在でもアメリカでは血液銀行が数多く存在し有償採血が盛んです。

なお、1950年代〜1960年代半ばまで日本でも売血は盛んに行われ、200mlの採血で現在の価格で4,000〜5,000円になり、それを1ヶ月に10回ほど売血する人もいた言います。

結構な額の収入ですが1ヶ月に2リットルも血液を抜いて大丈夫だったのでしょうか(売血には血液制限もあったそうですがそれほど厳密に守られなかったのだとか)。

 

血液製剤の輸出解禁

今回、厚生労働省により献血から製造される血液製剤を余剰分に限り輸出を認める省令改正する方針を固めました。

これにより海外の医療への貢献や国内メーカーの海外展開を後押し狙いがありますが、献血(=無償採血)の提供者への説明も求められます。

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